両面粘着式ムシトリスミレ

服部　正人

P.sp Ayautla（＝P.gigantea)はメキシコ産ムシトリスミレの中で最大になり、葉の両面に粘液を出して虫を捕らえるという特殊な技を持っています。 Ayautlaは開けた所に位置する垂直な崖の亀裂に根を張って成育しており、強烈な日光にさらされているそうです。そして、葉の両面から粘液を出す事により飛んでいる虫をより多く捕まえることが出来る仕組みで、とても賢い植物なのです。つい先日、ふとagnataを何気なく見ていると、何と葉の裏面に Ayautlaほどではないが、粘液を出しているらしい腺毛を見つけました。Ayautlaはagnataに極近縁なので、agnataが自生地の環境に適応して進化？したものかもしれないと自分で勝手に思い込んでいます。しかし現在成長しているagnata "scented"という種においてのみしか見ていないので、他のagnataはどうなるか分かりません。 尚、P.sp Ayautlaはメキシコのオアハカ州産のムシトリスミレで、植物体は堅そうなガッチリしたもので、黄緑色の葉をしており、agnataに似たピンク色の花を咲かせます。