珍品 P.filifoliaについて
服部 正人
P.filiforiaは、キュ−バ産のムシトリスミレで、葉の形は長い線形で長さは２０センチ程度、その姿は一見 ドロセラのフィリフォルミス・トレイシ−とビブリス・リニフロラのアイの子のような感じです。花の色は薄青紫〜ライラック地にピンクがかり、大きさは距を含めて1.5〜2.0センチ、花茎は葉よりもやや長くなります。花は一年中咲き続けます
自生地では、イネ科植物やキュ−バ松が一緒に生えているそうです。そこで、栽培ですが、日当たりよく、高温多湿で管理します。夏の暑さにもバテず、それどころか、より元気になるような感じがします。冬でも理想的には20〜25℃必要です。
用土は自生地の土壌は砂質とのことですので、川砂とピ−トの混合が適しますが、わたしはピ−トが苦手なので、水苔単用で植え込んでいます。要は酸性土壌ならよいのです。
殖やし方は、ある程度大きくなると、必ず2〜3株に分かれますので、株分けが簡単です。草姿の割には根はとても貧弱なものですので、株分けの際はなるべく根が付くように分けます。親株は、地下部が木質化してゴボウ状になります
種子は簡単に結実し、沢山採れますが、うちでは普通に播いて発芽したことがありませんでした。しかし、茨城の佐藤氏にフラスコでやってもらったところ、うまく行き、その実生苗は現在開花するまでになっています。
参考文献
COMMENTS TO"DIFFICULT"PINGUICULA SPECIES
by Miloslav Studnicka
IPSG Newsletter No.4 February 1994