種子から育てるMexican Pinguiculaについて
Stan Lampard（意訳：服部 正人）
多分みなさんは種子からMexican Pinguiculaを育てるという幸福を味わったことがないだろう。言い訳はいけませんよ、これは多分良質の種子をすぐに入手できなかったか、発芽と成長の必要条件に対する理解の足りなさ故だった。しかし今は変わりました。自生地や栽培下で注意深く行われた交配により新鮮な種子が今は頻繁に入手可能となり、また私たちは間違った栽培環境に気づいたのです。大抵のMexican Pinguiculaは食虫植物栽培家が植物にたいして与えるじめじめと湿った、酸性のピ−ト質の土壌といった環境に対応できないのです。でも、P.emarginataだけはつねに湿った弱酸性の砂質の土壌を好みます。しかし、大抵のものはアルカリ土壌に生えておいます。あるものは石灰岩の割れ目にまたあるものは石膏に生えています。大抵のものは山の尾根に自生し、雲がかかる山地に生えているものもあります。 両者とも一年を通して水分の源をしばしばたちこめる霧だけに頼っています。
発芽：適当な容器に（私はプラスティックのペトリ皿を使います）単に種子を表面にばらまき、煮沸し冷ました水を使用します。そして半日陰または、蛍光灯下で温度は２５度くらいにします。１〜４週間以内で発芽します。実生苗が本葉を出してきたらすぐに注意深く湿った苗床の表面を取り、同じ温度と光の環境下で高湿度に保ちます。
コンポスト：ミネラルを含んだコンポストを使用することが大切です。（私はパ−ライト/ バ−ミキュライト/ 砂の混合を実生苗に好んで使用します。移植後３〜６ヶ月後にコンポストのpHを上げるために砕いた多孔質石灰石や石膏などを加えます。コンポストは湿らせるべきだが、けしてビショビショにせず根の通気を良くしてやることです。
水やりと日照と温度：活着したピンギキュラは早朝か夕刻、または暑くて乾いた天気であれば両時に霧を吹かれることを好みます。水はMexican Pinguiculaたちが十分な生育の時に根にのみ与えるべきだが、コンポストはビショビショにならないように。Mexican Pinguiculaたちはみな直射日光より拡散された光を与えるのがグッドです。
私は大抵のMexican Pinguiculaの成長期に二つのピ−クがあることに気づきました。 Mexican Pinguiculaたちはまず最初に晩春から初夏に冬芽の状態から目覚め、そして新しい数枚の葉をつくり盛夏の間は静止状態に入ります。この後が二つ目のピ−ク、晩夏から秋で、時折より長い成長期間となります。私はこの現象が日照時間か温度によるものなのかはっきり分かりません。大抵のMexican Pinguiculaは最高の成長時は、だいたい１２時間の光合成で日中の温度が２５〜３０度に上がり、夜は最低１０度に下る、このような環境を大抵のMexican Pinguiculaたちは自生地で経験しているのだろう。