Pinguiculaの栽培用土について
〜温帯高山性やメキシコ産ピンギキュラの用土に石灰質のものを入れるわけ〜
服部 正人
多くの温帯高山性やメキシコ産ピンギキュラは石灰岩上に自生する好石灰植物（石灰質の土壌に分布してよく生育する植物のこと）です。岩波生物学事典によると、「この好石灰植物たちは養分として多量のカルシウムを必要とするのではなく、カルシウムの存在により土壌の団粒構造が発達して土壌の通気、保水、温度などの物理的条件がよくなることＰＨが中性またはアルカリ性になること、土壌微生物の活動のために栄養塩類の循環がよくなることなどが繁茂に関係している」とあります。また、これらの植物は酸性土壌では生育が阻害される（アルミニウムの可溶化が主な原因）ので、ピ−トなどの酸性コンポストを使用する場合は、石灰質のものを混ぜて使用します。水苔の場合は単用でも良くできますが、古くなってくると、ＰＨが急激に下がりますので、早めの植え替えをこころがけるようにした方が良いでしょう。