このカンパ募集は申込者が多数おり、当時罪悪感は全くなかった。しかしこれはよく考えれば日本やマレーシアの法律に抵触する犯罪行為そのものである。私の今までの食虫植物活動の中では大いに反省すべきことで、どんな批判も受けなくてはいけないと思っている。そんなおろかな行為を堂々とJCPSのホームページのトップに掲げて広く募集告知したのであるから､今考えても薄ら恐ろしい話である。

告知文はこちら。

ネペンテス愛好家の皆様。 今年の8月27日から9月1日まで、マレーシアのクチン周辺のネペンテスを探検することが決まりました。 見れる種類は、 N.ampullaria rafflesiana gracilis hookeriana mirabilis albo-marginata northiana hirsta などです。もしかするとN.tentaculata veitchii bicalcarata まで足を伸ばす可能出もあります。 そこで昨年も行いましたが、以下の条件でカンパを募りたいと思います。 １、カンパ金は一口5,000円とする ２、見返りとしては、現地の記録ビデオ。現地で採取された苗、種子、穂木など数点。 昨年は再訪であったため、現地の様子もわかっていたので、予測可能でしたが、 今回ははじめて行く場所なので、勝手がわかりません。採集に手頃な苗があるのか？ 種子の状況など、見当がつきませんが、一応希望を申し出てください。ただし、希望通りに行くとは限りませんし、昨年の様に大量な苗の採集は困難かもしれません。 また、昨年の反省から、現地での採集苗などは、現地からの発送はしないで、一旦日本に持ちこんでから、皆さんのお手元に郵送します。これなら確実に届きますし、昨年のような成田で没収という事も防げます。 今までの現地採集の経験から、苗よりも穂木の方が日本に持ちこみやすいので、今回は穂木の採集が多くなると思います。穂木であれば、保存がききますし、梱包も容易なのです。 以上の状況をご理解の上、希望者はお申し込みください。希望する種類などもお書き添えください。 定額小為替、現金書留、郵便振替などの方法により、送金してください。締切りは8月25日までとします。よろしくお願いします

当然ながら食虫植物研究会にもこの情報は流れたのは言うまでもない。自然保護を会の目的の一つとしているにも関わらず、その会の一会員がマレーシアの山採り苗の採集販売などを行う事は、全くもって許されない行為である。この件に関しては「言い訳」も「弁解」も、そして「反論」の余地は全くない。

ただ、海外自生地ツアーとカンパというのは以前からいろんな方々がやっていたことは事実である。古くはネペンテスの採集、持込を前提にカンパを募り、マレーシアやスマトラなどで大量に採集し、持ち帰り、山分けするということが行われてたのである。勿論ワシントン条約など無かった時代ではあるが、モラル的にはどうなのか？　現地の法律はどうなのか？　といった問題は今も昔もかわらないと思う。それに当時でも植物検疫の問題はあったはずで、検疫証明が無ければ根付きの植物は持ってこれないはずである。こういった問題は、「昔と今は時代や法律が違う」という言葉では片付けなれるものではない。

ある方が南アフリカに行く際に、数名の会員よりカンパを募った事があった。カンパ協力者の中には食虫植物研究会の当時の会長も入っていたのは事実である。そしてそのカンパの見返りとして現地採集の苗、種子、標本などを受けるというものだ。この事実はどう理解すればよいのだろうか？

また前述のネペンテスツアーのカンパ協力者の中に食虫植物研究会の役員が数名含まれていたのも事実である。

食虫植物研究会の主催でギアナ高地探検ツアーが行われたが、その後の研究会の例会で、山採りのヘリアンフォラの小苗が10.000円で売られていた。私の記憶によるとマラワカ産とワチャマカリ産のヘリアンフォラでラベルにはMA＝マラワカ　WA＝ワチャマカリと書いてあったと記憶している。今にも枯れそうな弱々しい苗だったので、買った人はいなかったと記憶しているが、ギアナ高地も自然保護区のはずで現地採集は禁止されているはずだし、それを集会で堂々と、しかも高価にて販売していた事実を知っている人は少ないであろう。こういった行為をどう理解すればよいのであろうか？

まあ、いずれにしても私のやったことを正当化する理由にはならない。悪い事は悪い！と反省している。またこの事実を知らずにJCPSに入会し、私に対する見方が変わった方もいるかもしれないが、それはそれで仕方の無い事と思っているし、いかなるご批判も受ける覚悟でいる。

そして私のこの失態でついに研究会からの除名が決定的になったのである。